【気になる疑問】は、身近な疑問についてシンプルに答えていくシリーズです。
今回の疑問はこちらです。
「お酒とアルコールは違うって聞きました。同じような気もしますが、本当のところはどうなのでしょうか」
確かな根拠を基にみていきましょう。
※この記事は、医師監修の下、適切な情報に基づいて作成されています。具体的な情報源に関しては、本記事下部の「参考情報」をご確認ください。
アルコールは「お酒の一部」
お酒とアルコールは違います。
そして、その違いは、お酒の成分を考えるとわかります。
お酒は主に「水とアルコール」から出来ているのです1。
お酒の缶や瓶のラベル表示に、「アルコール分7%(ビール)」とか「アルコール分15度(日本酒)」などと書かれていますが、これがお酒に含まれるアルコールの割合で、残りほとんどが水になります。
※炭水化物やたんぱく質など、他の成分が少量含まれているお酒もありますが、基本的には水とアルコールが主成分です。
ということで、お酒とアルコールは同じではなく、アルコールはあくまでお酒に含まれる成分の1つなのです。
「アルコール飲みたい」
「昨日アルコール飲みすぎた」
と言うのは、中に含まれるアルコール自体ではなく、アルコール飲料、つまりお酒のことを指していることが一般的です。
「病気のリスクを高める」のは、アルコール
厚生労働省から「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」2が公表されているように、飲酒によって多くの病気のリスクが高まることが明らかになっていますが、病気のリスクを高めているのは「アルコール」であり、お酒全体はありません(お酒の大半を占める「水」は関係ありません)。
なお、アルコールと病気との関係を考える上で大切なのは、アルコールの量(1日あたりどのくらいのアルコールを摂取しているか)ですが、病気によって異なります。
例えば、高血圧とダイアベティス(糖尿病)、脳出血、脳梗塞によって違いますし、同じがんでも、胃がん、大腸がん、肝臓がん、乳がんなど、がんの種類によっても異なると報告されています。
出典:健康に配慮した飲酒に関するガイドライン 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001223643.pdf
ですから、アルコールと病気について考える際には、ただ1つの病気との関係だけではなく、複数の病気とアルコールの関係を総合的に考えることが重要です。
飲酒の際は、「見た目」だけでなく「濃さ」にも注意!
お酒とアルコールの違いを意識することは、実際にお酒を嗜む際にも大切なポイントです。
というのも、病気と関係するのはお酒の中に含まれる「アルコール」であり、ウイスキーやブランデーなどアルコール濃度が高いお酒は、例え、飲んだお酒の量(見た目)が少なくても、多くのアルコールを摂取していることになるからです。
もちろん、アルコール分が10%以下であることが多いビール、チューハイ、サワーなども、アルコール濃度が薄いからと言って、大量に飲んでしまっては、結果的に多くのアルコールを飲んでしまうことになります。
いずれにしても、お酒を嗜む際には、見た目(お酒の量)だけではなく、濃さ(お酒のアルコール分)にも目を向けることが、病気予防には大切です。
お酒のアルコールと消毒用エタノールは同じもの
ちなみに、アルコールというのは様々なアルコールの「総称」であり3、お酒に含まれるアルコールはその中のエタノール(エチルアルコール)と言われるものです。
「エタノール、どこかで聞いたことがあるな」
と思った方もいるかと思いますが、お酒に含まれるエタノールは、消毒用エタノールと全く同じ成分なのです。
違いはエタノール濃度であり、消毒用エタノールにおけるエタノール濃度はおよそ70-95%であり、お酒に含まれるエタノールより濃いことです。
「お酒に含まれるエタノールは消毒として用いられるエタノールと同じ成分である」
このことからも、お酒のアルコール(エタノール)と病気のリスクのつながりを感じることができます。
まとめーお酒とアルコールは違う!
今回は「お酒とアルコールは違うって聞きました。同じような気もしますが、本当のところはどうなんでしょうか」という疑問に対して、解説をしました。
以下がこの記事のまとめになります。
- お酒とアルコールは違う
- アルコールはお酒の一部
- 病気のリスクを高めるのはアルコール